第十訓   死ぬまで分からないコトってきっとある。





好きって何だろう?
最近になって色んな人間に言われるようになったけど。
まさかあの人達まで言い出すとは思っていなかった。

土方さんはあれから開き直ったように俺に優しい。
つか、はっきり言ってキモいんですけど。こんなの俺の知ってる土方さんじゃない。
好きって何?
相手に優しくしたいのがそれなら、俺の土方さんへの想いはきっとそれじゃない。
俺はアンタを苛めるのが好きなんだ。困ったり怒ったりした顔見るのが楽しいんだ。
だから、そんな顔見てもちっとも楽しくない。
授業中、ふと目を覚ますと視界に入る土方さんの顔。
涎を垂らしてる俺の顔を嬉しそうに見る顔。
コワイんだって。
何時もみたいに「だらしねーな、汚ーな、おい」っていう軽蔑の目で見られた方がずっといい。



センセーも何だかおかしい。
目を逸らしたり、俺を避けたりするかと思えば、急に近寄ってきて抱き締めたりする。
それは“スキンシップ”という言葉では誤魔化せないもので、大抵俺は物陰に連れ込まれたりする。
たまにキスしようとするセンセーを何度かぶっ飛ばした。
考えろ、と土方さんは俺に言ったけど、何をどう考えていいのか分からない。
好きって何?
これって二人が俺を好きだからやるコトなんだろうけど、はっきり言ってうざい。
頼むから放っといてくれ。
わかんねーもんはわかんねーんだよ。








「どうよ?アレ」
銀八は土方に問い掛けた。二人の視線の先にいるのは、沖田。
「・・・かなり悩んでるみてぇだな」
「お前がうっとーしーんだって。少しは自粛しなさい」
「手前だろ!?つか、知ってんだからな!セクハラ教師!」
「自分の気持ちに正直になって何が悪いんですか?チャンスってのは大抵が二度と来ないモンなの。分かる?」
「その理屈が通用してたら警察はいらねぇんだよ」
溜息を吐いて、土方は銀八を見た。
「俺は、あいつを苦しめるつもりじゃねぇんだ」
「ばっか」
そんな土方に、銀八も大袈裟に溜息を吐き出して見せる。
「これは誰もが通る大事な悩みなの。これがないとあいつも立派な大人になれないの。偶には悩む事も大事なんだよ」
考え込む顔もソソるでしょ?
と付け足す銀八に、一言多いと土方は思いながら頷いた。
不思議と、沖田がこれから出すであろう答えがどうであってもいいと思う。
自分の事を考えてくれた。
それだけで充分な気がする。
土方がそう言うと、銀八はどこか寂しそうに笑った。
「お綺麗ですね。俺にはとても真似出来ません・・・つか、アレ、答え永遠に出ねーんじゃねー?」
見ると、先程まで真剣な顔をしていた沖田は気持ち良さそうに眠っていた。















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・・・すげー・・・。今更第一訓の初歩的ミス発見。銀時って書いてたよ。
どゆこと?何回見返したと思ってんの?あー。もういや、自分。
つか、今までの読み返したら総悟の話し方とかかなりヘンなんですけど・・・。
本当、今更過ぎで何も言えないです(涙)泣くしかないです。ごめんなさい・・・。



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