第三訓 なんだかんだ言ったってお前らも好きなんだよ!
「え〜、じゃあ今日は“萌え”について勉強します」
Z組の教室。めずらしく全員席に着いて教師も在室の状態。
「猫耳しかり、制服しかり、“萌え”というものは心を熱くさせるシチュエーションである」
熱心に語る銀八に、生徒も熱心に頷く。
「それぞれ個人で好みの違いはあれど、医者と看護婦、教師と生徒。今の言葉にどきっとした人。あんたも好きだねぇ」
「先生。友達の母、とかいうのは例外ではないですか?」
「長谷川君、それはマニアだが例外ではないです」
こほん、と咳払いをし、銀八は皆を見た。
「一歩間違えると犯罪になるのでぎりぎり感を楽しむのが正しい“萌え”と言える。皆、分かったか?ちゃんとノート取っとけよ。これも期末出るぞ、マジで」
がやがやと騒がしくなる教室。
「え〜、静かに。コレが本題だが、今の理解の為に明日男子生徒はセーラー服を着てくるように」
「先生。主旨が分かりません」
「土方君、何聞いてんだ。主旨は萌えだっつってんだろーが」
「先生。何で男子だけなんですか?通常は女子がコスるものなんじゃないでしょうか?ちなみに私は軍服を着たいです」
「志村、あー、じゃあ着てきていいよ。女子はチャイナでも白衣でも」
「先生。セーラー服はどこで売ってるんですか?」
「志村弟、それは“そういうトコ”で売ってます。もしくは女子に借りて下さい」
「“そういうとこ”じゃ分かりません。詳しく教えてください」
「男のくせにそんな事も分からないような人は廊下に立ってなさい」
志村新八は立ち上がると静かに廊下へと消えた。
「先生。これは俺個人の意見ですが、男のセーラー服を見ても萌えの対象にはならないと思います」
「ヅラァァ!着てみたいくせに何言ってんの!?いいんだよ!これは一個人の萌えでいいんだよ!」
「先生、それはハロインとかいうものアルか?」
「もうなんかそんなんでいーよ」
銀八が言った所でチャイムが鳴る。
「必ず男子全員着てくるように。着てこない人にはメイド服を用意しています」
そう言って、銀八はちらりと沖田総悟を見た。
沖田は冷や汗をかきつつ、銀八を見つめる。
「・・・マジでか」
「やっぱり転校しよう」
廊下では新八が呟いていた。
終
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短い上に見事に台詞ばかりだ。本当は漫画で描きたいのよさ〜・・・。
と言いますか、今まで書いた文は全部漫画で描きたかった。時間さえあったら同人誌山ほど作ってるのにな〜。
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