イライラする
何故こんなにもイライラするのか?
理由は分かっている。
・・・気にいらねぇ
駆け引き
「つまらねぇ・・・」
呟いた言葉は、静かな部屋に溶け込むように消えていく。
普段はうるさいくらいのこの部屋。以前はこれが普通だったのに、こんなに静かだと寂しいと思うのは、そんな生活に慣れてしまった・・・から。
こんなにも平和な時が心地いいなんて、昔の俺だったら想像もしなかったと思う。
・・・ぬるま湯もいいじゃねぇか・・・
だけど、この胸のモヤモヤというか、イライラは消えない。
「ジャンプが休みなのが悪い・・・」
見当はずれな事を呟き、意識を違う方向に向けようとしても、すぐさま戻される。
本当の理由は分かっている。
昨日、偶然見てしまったあの光景。
あれから、俺のモヤモヤは消えねぇ――いや、時間が経てば経つほど黒い闇みたいなものが体んなかに広がっていくのが分かる。
神楽とアイツが、肩を並べて歩く姿・・・
そして、神楽に向けられる笑顔。
その直後、俺のほうをチラリと一瞬見たような気がした。
それを見た瞬間、どす黒いモノが渦を巻いて体ん中侵食し始めたのを感じた。
俺は、アイツのことがキライなんだよ。
キライ・・・とにかく気にいらねぇ。
あの、人をなめたような目と物言い。
それが気にくわねぇ。
それなのに・・・どうしてだ?
先週のジャンプをパラパラとめくりながら、一人ソファに寝転がりながら時間が過ぎていくのを待った。
「誰かいますかィ?」
不意に聞こえた声に、コメカミがキリキリと痛み出した。
今は、顔をあわせたくない・・・合わせたらいけない。
自分の中の、野生の感みたいなものが、そう警告を発している。
ジャンプを顔にのせ、居留守を決め込み目を閉じた。
“ダンダンダン”
戸を叩く音が、響く。その音はどんどん大きくなり、そのうち“ドンドン”と音を変えていく。
“バン”
「なんだ、いるじゃねぇですか」
大きな音がした後に、静かに聞こえた声・・・
「・・・あぁ?不法侵入ですか?物騒な世の中になったもんだ」
さっきまでの姿勢と同じまま、いつものように言葉を発する。
「あの戸・・・建付け悪いんじゃないんですかィ?」
何事もなかったように中に入り、向かい側のソファに腰を下ろしたヤツを横目で見た後、蹴破られた戸を直しに立つ。
「そんなこと言うと、大家のばばぁが殴り込んでくるぞ」
「そんときは、バズーカーでも打ち込んでやりやすよ」
「・・・可愛い顔して、過激ですねぇ」
「・・・・・・ところで、あの酢昆布娘は留守ですかィ?」
「神楽?神楽なら、定春の散歩に行ったぜ。しばらく戻ってこないだろうな・・・きっと」
「そうですかい・・・」
そう言った、アイツの顔が少しだけ翳ったのは気のせいだろうか?
その表情に、頭の痛みが増した・・・そして、何か糸のようなものが切れた音がした。
「なぁ、そんなに神楽に会いたいのか?」
「・・・」
静かにアイツの傍に歩み寄る。そして、真正面に立ち、その姿を見下ろした。
「じゃぁ、待ってりゃいいじゃねーか。どうせ、暇なんだろ?」
「・・・」
何も言わず、ただ俺を見上げるだけのアイツ。
その瞳は、苛立つ俺を写しそんな姿を、あざ笑っているように見える。
「気にいらねぇ・・・」
「・・・暇」
「あ?」
「暇って言ったんですよ。聞こえませんでしたかィ?」
俺の言葉を見事に無視して、久しぶりに発した言葉はなんだか俺を挑発している感じがした。
そして、アイツは口の端を少しだけ上げた妖艶な笑みを浮かべながら一言だけ言った。
「遊んでくれねぇんですかィ?旦那」
それは俺の何かを破壊するのに十分な科白。
気が付けば、アイツをソファに押し倒し唇を自分のそれで塞いでいた。
「ん・・・ふ・・・」
閉じられた唇を舌で数回突付けば、それが合図のようにアイツの唇が少しだけ開きそこに俺は舌を差し入れる。
自然と絡まる互いの舌・・・時に、焦らすかのように逃げるアイツの舌を追いかけ捕まえ、また絡ませる。
時折聞こえる、アイツの声が視覚を刺激し、一層俺を熱くさせた。
やっと離れた唇を、銀糸が繋ぐ・・・半開きのアイツの口からは、唾液が溢れだす。
唾液で潤った唇を自ら舌なめずりする姿は、危険な色香を漂わせ俺を誘っている・・・そうとしか考えれなかった。
「最後まで・・・付き合ってもらう・・・けど?」
「暇だって言ったじゃありやせんか」
「そうだったな」
そして、自然と絡まる視線・・・
どちらからともなく近づく唇。最初は触れるだけ・・・そして、次第に深いものへと変わっていく。
俺は何かに犯されたように、アイツの洋服を脱がせその白い肌を露にした。
それを確かめるように、唇を滑らかな肌を滑らし、時に赤い花を咲かせていく。
「ん・・・あ、ぁ」
そのたび漏れる甘い吐息に、理性を奪われながら。
胸の中心を触れれば、そこは触れてほしいのか勃ち俺を誘う。
片方を舌で転がすし、もう片方は指の腹で押し転がし愛撫を加える。
「あぁ・・・く、ぅ・・・ん」
「ん?そんなに感じてるわけ?ここでそんなんじゃあっちはどうなのよ」
わざと突起に触れたまま言葉を発する。
「いゃ・・・そ、んな・・・風にぃ・・・はな、さないで・・・ん・・・くだ・・・せぇ」
「でも、感じてるんだろ?」
「ひゃ・・・ぁ」
「もっと、声を聞かせろよ」
突起を軽く噛み、腰の線をなぞるように手を下へと進める。
その感覚に、悶え腰が揺れている。
「もう、きついだろ?楽にしてやろうか?」
「だ、んな・・・の、好きに・・・し、て・・・あぁ―――」
言葉を最後まで待たずに、ズボンの上から勃ち上がった分身を軽く握ると、声にならない叫びを上げた。
顔は上気し、目は少し潤み・・・コチラに何か訴え掛ける様に視線を送る。
「なら、好きにさせてもらうぜ」
ズボンと下着を一気に下ろし、上を向き大きく反りあがっている分身を扱き上げた。
「あぁ・・・い、き・・・なり・・・あ、あ・・・・」
「そうして欲しかったんだろ?もう、溢れてきてるぜ」
「や・・・だ」
わざと隠避な言葉を耳元で囁けば、一層大きくなるアイツ。
俺の手の動きに感じ、大きくなるのが嬉しくて、それを握る手に力がこもる。
「ふ、くぅ・・・は・・・あぁ」
漏れる吐息から、近づく限界を悟り、わざとその動きを緩やかにする。
「え・・・な、ん・・・」
逝く直前で与えられなくなった快楽。
コチラを見上げる潤んだ瞳に、驚きの色が見える。
「逝きたいのか?なら、ちゃんとお願いしないと・・・な。その口で言ってみろよ」
根元をきゅっと握り締め、反対の手で爆発寸前の塊を上下に扱き上げる。
「う・・・わ、や・・・ぁ・・・くぅ・・・ん」
「つらいんだろ?ほら・・・」
「・・・」
「なら、このまま・・・だな」
「・・・・い、か・・・・・・・・せぇ」
「はぁ?聞こえないな」
消え入るような声で言った言葉を、わざと流し悪戯に言葉を掛ける。
屈辱と羞恥・・・潤んだ瞳で睨まれても、煽っているようにしか見えないのは、分かっていないのか?それとも・・・
「逝かせて・・・・くだ、せぇ・・・・旦那」
「良く、出来ました。んじゃ、ご褒美」
そう言った瞬間、握っていた根元を緩め、動かす手のスピードと上げた。
「あ・・・や、や・・・ぅ・あぁ―――!」
叫び声と共に、吐き出された白濁の液。熱い塊が俺の手のひらに広がっていた。
「はぁ・・・っ、はぁ・・・」
肩で息をしている、アイツを起こし、ソファに俯かせ四つんばいのような姿勢をとらせる。
吐き出された白い汁を、丹念に塗りつけ後ろを開いていく。
最初は一本・・・丹念に指で塗り込むように開いていけば、クチャクチャと隠避な音を響かせ俺の指を咥え込んでいく。
「あぁ・・ん、ん・・・」
与えられる快楽に、一度は萎えてしまった分身も徐々に頭を持ち上げていく。
「気持ちいいのか?腰が動いて、俺を誘ってるけど?」
「ち、が・・・・ふぁ・・・くっ」
「素直じゃねぇな。ほら、もう一本」
中に差し入れる指を二本に増やし、バラバラに動かせば、背中をそらせだらしな
く開いた口からは甘い吐息と唾液が零れ落ちる。
「い・・・ぃ・・・も、っと・・・・ぁ」
「もっと、欲しいって?厭らしいな、お前」
更にもう一本増やし、激しく抜き差しをすれば、完全に快楽に溺れ自ら腰を振って更なる快楽を求める、淫乱な姿へと形を変えていく。
その姿に、俺の理性も限界が来ていた。
指を抜くと、その空虚感からか・・・物欲しそうな瞳を俺に向けた。
「そんな目で見るなよ・・・今、お好みのものをやるからよ」
「あぁ―――!」
一気に奥まで、俺の分身を押し込む。
指とは比べものにならない、その圧迫感に背中は大きく反り、声にならない叫びを上げた。
そして、休む暇を与えず腰を前後に動かし、更なる快楽を与える。
「あぁ・・・や・・・ぅあ・・・あ」
片手で腰を掴み、逃げることを許さない。
掻き回すように腰を打ちつけ、空いた手で前を軽く握りると、俺を強く締め付ける。
その締め付けで、俺も限界を感じ始めた。
背中を舌で舐め上げ、耳元に口を近づけ耳朶を甘噛みすれば、更に嬌声が上がる。
「い・・く・・・だん、な・・・い、く・・・」
うわごとのように発せられる言葉に。この甘味なる時を、もう少し味わいたい・・・そんな気持ちも、強い締め付けで最後を迎える波に流されていた。
「じゃ、ぁ・・・い、け・・・よ。ほら」
思い切り腰を打ちつけ、アイツの分身を強く扱き上げた。
「あぁ・・・ああ――――――――!」
「くっ・・・」
強い締め付けと共に、俺はアイツの中に熱いものを解放した。
さっきまでの情事が嘘のように、静まり返った部屋には情事の後の熱気と、独特の匂いが残っていた。
気だるい体をソファに投げ出し、足元に散らばった服を拾おうと視線をそちらに移した。
そこには何事もなかった・・・かのように、衣服を着けているアイツがいた。
「神楽には会わないのか?」
「誰が、酢昆布娘に用事があるって言いやした?」
「・・・あ?だって、おめ・・・」
「いるんですかィ?と聞いただけですぜィ」
「・・・」
「それじゃ、俺は。暇つぶしできましたぜ・・・旦那」
それだけ言うと、また静かに戸口に向かっていく。
その姿を見て俺は、無意識に腕を掴み後ろから抱きしめていた。
その瞬間、小さく聞こえた笑い声・・・
俺は、完全にアイツに堕ちていた。
俺の腕を解き、こちらを見たアイツの顔は、悪戯な笑みが浮かべていた。
「旦那・・・また、暇つぶしにきやす。そんときは、遊んでくれやすか?」
その言い方・・・俺には選択の余地はなかった。
目が、その答えを言えと言っていたから。
「あぁ・・・また、暇ならな」
「じゃぁ、また」
それだけ言うと、俺の頬に軽くキスをして出て行く。訪れた時とは違い、静かな動作で。
「はぁ・・・やられた・・・な、全く。俺様としたことが」
誰もいなくなった部屋に、俺のため息交じりの言葉が消えていく。
衣服を整えながら、いつの間にか頭痛と胸の中の黒い影が消えていたのに気が付く。
「これって、嫉妬か?」
そんな感情を持つ自分が滑稽に思える。嫉妬なんて感情・・・とうの昔に忘れていたつもりだったから。
頭を抱え、うつむいた先に見えたのは白いスカーフ。
それを拾い上げ、そっと懐に忍ばせた。
「明日、届けてやるか・・・どうせ、暇だろうからな」
最初は自分の欲望を・・・抱えきれない負の感情を吐き捨てる行為つもりで、抱いたつもりだった。
金で買った女のように、次はないと・・・
だが、いつの間にか次を期待する自分がいるのに気が付く。
“暇つぶしにきやす”
アイツのこの言葉が、乾いた心を潤していく。
もしかしたら、抱いたつもりが・・・抱かれていたのかもしれない。
罠を仕掛けたつもりが、罠にはまった俺。
その甘く、魅惑的な罠から抜け出せそうにない・・・そんな気がした。
終
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絡み部分が非常に微妙なので、カットしました。
一応、添えておきますけどね・・・(笑)
意味不明で、オチもなし・・・
そんなブツで良ければ、めっさ遅くなったけどBDプレゼント・・・
いや、この時期だからお中元?として献上させていただきます。
恵様より
絡み部分、勿論カットなんてしませんことよ!!!まるごと頂きますっっっ!
イヤイヤイヤイヤ、意味なし、オチなしなんてとんでもないです!嫉妬する銀さん、最初から銀さん目的の小悪魔的総悟クン。
充分美味しいです!うわあ、いいなあvコレvv銀沖の醍醐味がここにvvvハマってないのに何故にここまで書けるんですか?
うわぁ、お返しどうしたらいいですか?とりあえず、書き掛けの土山もとい、土沖も貰っておきますよ?(なにそれ)
ていうか、下さい〜!見たいよ〜っ!
嬉しさのあまりとち狂った鈴華より