「あさがくれば」














俺は何度、この人に向かって「死ね」といっただろう。

だけど、そのうちの一回だって、きっと本気で死んでしまえばいいなんて

思ったことはなかった。

いつも、悪戯にそういっては、だけど生きていてと願うばかり。

だってきっと、俺にはこの人が居なくてはならない。

悔しいけど、いなくてはならない。

気がついてみれば、ナゼ、も、何、もない。

ただひたすらに、ひたすらに馬鹿げた事実だけが転がる。

いつの間に。

問うのは大層たやすいことのはずなのに、やってしまえば

そこで全てが行き詰まってしまう気がして、

俺は未だにそれをしていない。

考えてしまえば、きっと出てくる答えは

「ずっと前から」

そんなの、何より馬鹿げている。

愛情だとか、恋だとか、そういったあるイミ常識の枠にはまれるのなら

きっとそれはそれでよかったのだろうけれど。

自分たちのソレは、きっとそう呼ぶにはえげつない。

もっと、きっとお互いを奪いつくしたくてたまらない。

「俺って、可愛くない」

ぽつりと言えば、今更何を言っているんだと苦笑される。

今更って、アンタそんな可愛くないのに手出して喜んでんじゃんか。

悪趣味。

思っては見るものの、相手だって、決して模範的ではないのだから、

そんな人間に心奪われている俺だって、結局は悪趣味で。

あちらもこちらも、似たり寄ったり。

「お前は可愛くないからかわいーの」

そんな難解なことを言って、いつも俺をうやむやに、ごった煮にする。

この人って、夜ばっか、饒舌だよな。と、こっそり考えて、

何があったんだか(単に酒の飲みすぎか)ぎゅっと力を込めてくる両腕に

気持ちわりぃな。と呟く。

だから酔っ払って帰ってきた夜にこの人を招き入れるのはいやなんだ。

いつもなら、なにがあったあとだって、絶対俺を抱き寄せるような真似なんてしないくせに。

こういうときだけ、俺が子供の頃の姿に見えるのか、

まるで枕か布団相手にするように、背中から両手を回してぎゅっと力を込めてくる。

まぁ、正面からされるよりかましか。

そう思ってしまうあたり、俺もいい加減心許しすぎ。

「なにそれ、アンタ酔ってるからかしんねーけど、意味不明すぎ」

俺がそう言うと、酔っ払いが大体にしてそうであるように

「酔ってねーよ」

と、どう考えてもろれつの回っていない舌で言う。

酔ってないなんて、この酒臭い息でよく言えるものだ。

俺はザルなのかなんなのか、沢山飲んでも早々こうはならない。

次の日に思い出して、顔を赤らめるようなことをしたりはしない。

こういう風に、俺もいつかなるのかな。

なったらどうすんだろ。そんときは俺が土方さんのことぎゅってすんのかな。

・・・そりゃねぇか。

なにせ、土方さんがさせてくれやしないだろう。

そう考えると、なんだか残念な気がした。

変なところだけプライドが高いってか、男役で居続けたいんだから。

「ちょっとぐれぇ譲ってくれたっていいのに」

いつだって、俺は女側なんだから。と、言おうとしてあまりの女々しさにやめた。

別に、どっちだって良いのだ。

なんだかんだで、俺が男側になって、土方さんに接するのは無理だろうし、

行為だけ見てりゃ、土方さんのほうが俺を奪いつくしているようだけど、

結局俺だってなにかしら土方さんから奪うことが出来ている。

そういうことが出来るのはこのポジションだからこそだ。

それなら、無理矢理このポジションを変えなくたって良いじゃないか。

「あ?何をだよ」

「別に、何でもありやせん」

つか、どうでもよくなったし。と呟けば、お前諦めがはえぇな。

と、酔っ払いらしい機嫌のよさで笑われた。

酔っ払ったときだけは、昔の、俺が小さかったころのような顔で快活に笑うこの人が

今となってはほんの少し気持ち悪い。

だって、考えてしまうじゃないか。

何がその笑顔を奪ったの。なんて、薄ら寒いことを。

「オマエさ」

「なんですかィ」

「すっげ可愛いのな。昔とかわんねーの」

「はぁ?!」

よしよしと、頭をなでられながら言われた言葉に俺は思わず飛び起きそうになって、

けれども、土方さんに抱きこまれているせいでソレは叶わなかった。

変わりに、あんた酔ったついでに頭でも沸いたんですかィ。と続ければ

「そういう口悪いとこ、かわんねーなぁ。でもオマエそーゆーときいっつも照れてんだろ。可愛いやつ」

俺にはわかってんだからなァ〜。と、ゆるゆるな口調で言うその人に、

俺は知らず知らずに頬を赤らめていた。

なんだこいつ、なにこの恥ずかしい生き物!!!

可愛い可愛い連呼してんじゃねーよ!!つかオイ、離せコノヤロー!

思って暴れてみるものの、思う以上に力の強いこの人の腕は、全くもってどけられず。

(畜生、明日覚えていやがれ)

俺はこっそりと心の中で復讐を誓った。

絶対コレをネタにからかって・・・やりたいけど。

(結構無理かも。だって・・)

まるで、俺が如何に土方さんに愛されているかを表しているみたいじゃないか。

そんなの、言ってるこっちが恥ずかしくなるに決まってる。

「畜生」

つぶやいて、やっぱり土方さんなんて早く死んじまえ。

と、妙に心地の良い腕のなかで考えた。















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土方さんがひたすらにバカで、意味もない文章ですみません!!

乱文失礼いたしました!!捨ててあげてください・・・。





りんよりv

とんでもございませんわvv素敵土沖小説ですっ!!

総悟君の「死ね」には何か違う意味があるように思えて仕方ないのですよね〜vvv

そんな総悟にぞっこんラブvな土方さんも可愛くてカッコ良くて仕方ないな、コノヤロウ〜vvvですvvv

フリー落書きのお礼にと頂いてしまいました。あんなのにお礼など勿体無くて・・・。でもすごく嬉しいです・・・(涙)

ありがとうございました!!!



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