11

「ありがとうごぜーやす」

そう言って冷たく離れた沖田の肩を、伊東は掴んだ。

「もう少し此処にいた方がいい。あの人はしつこいからね」

と言っても、ここは裏庭。寒いし、もうすぐ鐘が鳴る。

「や、いーや。いたらいたでまたおっぱらいまさァ」

「君は面倒臭がりなのか面倒が好きなのかわからないね。・・・とりあえず、もう少し僕に付き合ってもらうよ」

そう言った伊東の手が沖田の顎に伸びる。

「―――――何すんでィ?」

「このくらいのご褒美はもらっておいてもいいだろう?」

―――――冗談じゃない。

振り払おうと上げた手を掴まれる。

伊東は小さく笑った。

マイペースで無防備で。一人で居ても平気な顔をしているのに他人に振り回される。簡単な嘘に単純に引っ掛かる。

沖田のそんな所が、他人の興味を惹かずにいられないのだろう。

どうにかして、自分の物にしてみたい。そう思わせる。

顔を近付けると、沖田は必死の表情で抵抗した。

「君は本当に可愛いよ」

「・・・や、めろ・・・!」

触れるまで後センチ、という所で邪魔が入った。

「俺の沖田に何してんだ!?」

沖田にとっての救いの神であるその人物は先程の南戸。

伊東は平然と彼を振り返り、口を開いた。

「丁度いい。彼を押さえてくれないか。思ったより力が強い」

南戸は一瞬呆気に取られた表情をした。

「・・・誰が・・・!」

「君もしてみたいだろう?」

「―――――――」

考える間もなく、南戸は沖田の背後に移動した。青褪めたのは沖田だ。

「・・・して・・・、みたい・・・」

ごくり、と後ろで南戸の喉がなるのを聞きながら、沖田はどうにかして逃れようと手足を動かす。

授業の始まりの鐘が遠くで鳴っていた。









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12
「離せ!馬鹿野郎!二度と学校に来れねぇひでー目に合わせんぞ!」

「噛み付いてみるかい?」

「お、俺にも噛み付いて!」

変態の相手はしてられない。視線を巡らせはっとした。草陰に誰かが居る。

「―――――おい!そこの!助けろ!」

夢中で声を掛けると、その人影はゆっくりと動いた。

「・・・うるせぇなぁ。休憩中だよ。邪魔すんな」

3Zの問題児、高杉晋助だ。

「お前いっつも休憩してんじゃねぇか!こいつ等やっちゃって!」

高杉の姿を認めた途端、沖田を押さえつける二人は明らかに狼狽した。

「何か面白そうじゃねぇか。見物人居た方がそいつ等も張り切るんじゃねぇのか?」

短くなった煙草を捨てると、踏みしめる。

高杉がゆっくりと近付いて来ると、伊東はあっさりと沖田から手を離した。

「僕は本当に面倒事が苦手なんだ。高杉、君は見なかった事にするか、沖田君を助けるかどっちを選ぶ?」

「・・・・どっちも嫌だな。しいて言えば、お前の澄ました面ぁ、潰してぇなぁ」

伊東は舌打ちすると、その場から逃げるように走り去った。

「・・・手前は何時までそうしてんだ?」

沖田を後ろから羽交い絞めにしていた南戸は我に返る。

「―――――あ、違う、違う!沖田!俺はただあいつにそそのかされて・・・!本当に大事にするから付き合って!!」

「誰が信じんだよ!?」

振り向き様放ったパンチに、南戸は一発で仰向けに引っくり返った。

「・・・助かったよ」

大きく息を吐いて、沖田は高杉を振り返った。

が、彼はゆっくりとした足取りで昇降口に向かっていた。






******
13
「――――――高杉!」

沖田は慌ててその背を追い駆けた。

「・・・どっか、いい冬の休憩場所ねぇかなぁ」

ぼそりと、白い息と共に呟いた高杉の言葉に少し驚いた。しかし次の瞬間沖田は吹き出していた。

「そりゃあ、裏庭じゃ寒いだろうなァ。・・・んー。体育館倉庫とか。あっちも寒ぃか・・」

「風がねぇだけマシだ」

高杉はそう言うと、教室へ向かっていた足を体育館へ向ける。

「・・・何、俺の意見通ったの?」

「お前も来るか?」

少しだけ躊躇った後、沖田は高杉の背に従った。

高杉とこんなに話したのは初めてだった。思ったより嫌いじゃない、と思う。

教室に戻って、伊東の顔を見るのが嫌だったせいもある。

「つか、お前何でジャージなんだ?」

「――――ああ、そうだった。今日は朝から色々あってよ」

「男に襲われたりな」

そう言って高杉は笑った。沖田はとても笑えなかったが、不思議な物を見る気分で隣を見た。

倉庫で、置かれた跳び箱に腰掛け、高杉は煙草を取り出した。

「――――案外いいじゃねぇか。風で火が消えねぇ」

今度は沖田が笑った。

寒さに震えながら、彼があそこで煙草を吸っていたのかと思うと可笑しい。

「お前って・・・、面白い奴だったんだなァ。俺ァ、もっと話出来ねぇ奴かと思ってたよ」

「手前の神経が太いんだろうよ」

しばらくして、無言で煙を眺めていた沖田の腹が鳴った。

「――――――そういや、腹減った。・・・昼だもんなァ」

気付いたように、高杉は自分のポケットを探り、赤い箱を沖田に投げて寄越した。

「何コレ?」

「ゲタ箱に入ってた。毒入りかもしんねぇけど食うか」

小さなリボンを外して包みを開けると、可愛いトリュフが二つ入っていた。

「食っていいの?コレ?誰からでィ?」

「知らねぇよ」

「・・・・・」

高杉は本当に興味がない様子だ。

と、言うか、教室に戻れば沖田にも食べなくてはならないコレが沢山ある。

思い出してげんなりとした。

「逃げてェなァ・・・」

ぽつりと呟いた沖田の言葉に、高杉は顔を上げた。





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14
学校の生徒達は何時も遠巻きに高杉を眺めているカンジはあったが、彼もモテるのだ。

と、いうかモテない筈がない。

などと沖田は思う。自分より余程、彼の方が“いい男”の分類に入る気がする。

もらったチョコを一つ口に入れると、何故か罪悪感が胸に広がった。

「――――逃げてぇって、何から?」

不意に高杉が口を開いた。

「・・・皆から。今日おかしぃんだよ、皆。好きな相手なんか選ぶ時は自分で選ぶよ。つか、選ぶモンでもねぇだろ?」

「そりゃあ、好きなヤツがいねぇヤツの科白だな」

「・・・・・いねぇもん。あいつらの気持ちなんか、知るかよ」

高杉は煙草を曇りガラスに押し付けると、跳び箱から降りた。

「行くか」

独り言の様に言う。

「俺ァ、此処に居る」

「こんなトコに一人で居てみろ。また襲われても助けなんか来ねぇぞ」

高杉は皮肉な笑みを浮かべて沖田を見た。

沖田はほんの少し身体を震わせた。今日は本当にそれが冗談に思えない。

「俺は、分からねぇでもないな」

「―――――え?」

顔を上げた瞬間高杉の顔が目の前に迫り、ほんの少しだけ、その唇が沖田のそれと合わさった。

「―――――え・・・?」

「冗談だよ」

大きな手が沖田の髪をくしゃり、と撫でる。

ペースを乱す事無く歩いて行くその背を、沖田は黙って見送る事しか出来なかった。

―――――笑えねェ・・・。









*******
15

「沖田くぅ〜ん、こんな所に居たの〜?」

猫なで声で廊下の向こう側からあやめが駆け寄ってきた。

「さっき面白かったのよ!あの伊東が授業遅刻して立たされてたの!」

「・・・へェ」

沖田は上の空で返事を返した。そういえば何時の間に鐘が鳴ったのだろう。

「お昼一緒に食べましょう」

「・・・や、つかアンタ銀八せんせーはどうしたんでィ?確かいいって騒いでなかったかィ?」

「アレはアレ、ソレはソレ、コレはコレよ」

「どーでもいいけど。昼は一人でしやす。また何か言われたら敵わねェ」

「じゃー、コレ食べて?さっちゃん特製、バレンタイン弁当ー!」

彼女がフタを開けた途端、ものすごい臭いが辺りに充満した。

「・・・飯にチョコってのもすごいけど、コレ何?納豆?殺す気だろ?つか、絶対嫌われてェんだよな?」

「愛情込めて作ったものに文句を言うのは、旦那様になってからだゾ。今の沖田君にその権利はないゾ」

「・・・試しにせんせーに持ってってみなせェ。泣くから」

「泣いて喜ぶって事?私が浮気してもいいって事?あ、分かったv後でお仕置きするつもり?しょーがないなァ〜、私、鞭より蝋燭が好きだゾv」

沖田は彼女を無視して歩き出した。

数歩も歩かない内に、今度はお妙と九兵衛に捕まった。

「あ、いたいた。沖田君、何してたの?」

「だりィからサボってやした」

「・・・サボりと言えば、高杉も居なかったな・・・」

九兵衛が呟く。けれど彼の場合は何時もの事なのでお妙も大して気に止めない。

「お昼まだでしょ?三人で食べない?」

「・・・いや。今、猿飛さんも断ったとこでさァ」

「あの女・・・。また抜け駆けしやがった」

お妙が低い声で呟く。

「忠告するが、今教室に行かない方がいいだろう。一年も二年も押し掛けてる」

「それ・・・、また俺・・・?」

九兵衛はこくりと頷く。

「卵焼き、たくさん作ってきたのよ。屋上に行きましょう」

「・・・寒い所やだ」

「・・・じゃあ、保健室。昼は先生もいないし、暖房効いてるし」

沖田はげんなりと頷いた。

もう好きにしてくれィ。









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16
「なんじゃ、おんしら!?」

弁当を持って保健室に行くと、保険医の坂本が声を上げた。

「ここは食堂じゃないぜよ!?」

「先生、大目に見てください。沖田君、ゆっくり教室にもいれないんです」

つか、何でお前居るんだよ!?

お妙の心の声が何故か聞こえる。

「・・・あぁ〜、沖田君か。話は聞いちょるぜよ」

じろじろと見られ、沖田は坂本を睨み返した。

「どんなイイもんか一度じっくり試してみたい思っちょった」

「お邪魔しました」

くるりと背を向ける沖田に、二人も従う。

「沖田、本当にお前気をつけろよ」

「私たちと居るのが一番安全よ」

不本意ながら、二人の言葉に沖田は頷くしかない。男が怖い。

家庭科室の暖房を入れ、三人は机に座った。

「さあ、召し上がれ。こっちはデザートよ」

菩薩の笑顔でお妙は微笑んだ。

前言撤回。女も怖い。食べれる物を作らない。メインとデザートの区別がつかない。

沖田は机に突っ伏した。

「あら、どうしたの?」

「・・・僕は・・・、料理と言うものは初めてしたんだが・・・。チョコレートは買ったものだ」

おずおずと九兵衛は重箱を机に広げる。

「あら、九ちゃん!美味しいわ!すごいじゃない!」

お妙の声に、沖田は少しだけ顔を上げた。

卵焼きは形が崩れて焦げている。唐揚げは大き過ぎる。おにぎりの形はまばら。

しかし、今日見たどの作品よりも、それは食べ物の形をしていた。

「・・・あぁ、何か胸一杯ですわ。俺、用事思い出したんで行きやす。これだけ、ありがたく頂いてきやす」

沖田はそう言うと、二人から渡されたチョコが入っている紙袋を指に引っ掛けて席を立った。

勿論用事などない。

二人の前で片方だけの料理を食べるわけにはいかない。

精一杯の誠意を込めた言葉だった。

まともな料理を見れただけで正直、本当に満腹になった気がする。

“フェミニストはモテないよ”

銀八の言葉が過ぎる。

この時、自ら墓穴を掘っている自覚は確かにあった。






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17
「―――――総悟、こんな所に居たのか」

「・・・土方さぁ〜ん・・・」

力なく顔を上げ、沖田は情けない声を出した。

「どうした?何かあったのか?」

「腹減った。何か恵んでくだせェ」

屋上へ続く階段の隅に座り込んでいる沖田を見て、土方は息を吐き出した。

「これでも食っとけ」

土方が沖田に投げたのはパンとパックの牛乳。

「ありがてェ・・・、けど・・・、コレまたチョコかよ」

「文句言うな。つか、相当酷い目にあってるみてぇだな」

「聞いてくだせェ」

沖田は朝からあった事を話し始めた。

次第に土方の表情が強張り始める。

「――――――何だって?伊東や、高杉まで・・・?」

「ひでェでしょ?冗談にしたって笑えねェや。去年の4月1日ふざけ過ぎた仕返しかなァ」

「手前は四六時中ふざけてんだろうが。きっとそうだ。仕返しだ。嫌がらせだ」

「やっぱそう思いますかィ?」

――――――思う訳がない。

けれど、そう思わせた方が今はいい。敵は一人でも少ない方がいい。

土方は煮え返りそうな腹の内を隠して苦笑を浮かべた。

「・・・まぁ、後数時間の我慢だ。学校さえ抜け出せば俺が一緒に居てやる。お前も一人でうろうろすんな」

「土方さんが一番まともな人間に見えてきやした」

それは誤解だった。

実は、この学校の人間の中で誰より早く沖田を好きになっていたのは土方だった。

けれど素直になれず、彼の友人の地位を失いたくなくて現在に至る。

この先も告白する事など有り得るのかと問いたくなる。

「見〜つけたんこぶ」

その時二人の前に現われたのは、アイドルお通だった。






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18
「一人になるの待ってたの。見つかると色々うるさいからし明太子は博多産」

沖田の隣に居る土方の存在を完全無視の科白を吐くと、お通はそっと紙袋を差し出した。

「セーターとか、着てくれルンバ?」

「重いモンはナシでお願いしやす。・・・つーか・・・、アンタもですかィ・・・」

お通のファンが聞いたら殺されそうな沖田の態度。

土方はそれを横目で見ながら、勝手に袋を受け取り中身を探る。

「これ・・・、セーターなんだ。ぬいぐるみかと思ったぜ」

「ずっと秘密にしてたの。でも、ずっとずっと好きだっ痰ぶっかけるぞ、こんちくしょー」

沖田は土方から袋を奪い返すと、お通に返した。

「気持ちは嬉しいけど、俺ァジャージ派なんで」

「・・・分かった。じゃあ、コレ、あーんさせてんどん得盛り。つゆだくで」

「・・・・分かった」

頷いた沖田に、土方は目を見開いた。

「おい・・・、お前・・・」

「土方さん、俺ァ一つ学んだんでさァ。相手の要求を小っさいの一つ呑めば、案外納得してくれるもんでさァ」

「・・・・・」

箱から生チョコを一つ抓み、お通は嬉しそうに沖田の口元に近付ける。

それをぱくりと食べる沖田を見た土方の心臓が音を立てた。

――――――嫌だな。

そう思った。

自分以外の人間とこんな風に係わる姿は見たくない。

「そういえば・・・、銀八先生が探してたよーぐるとはビフィズス菌」

「何で?」

沖田は眉を寄せた。嫌な予感が過ぎったからだ。

「授業サボったからお説教だってんこもり」

「マジかー・・・」

「・・・早退すっか、・・・二人で」

項垂れる沖田に、土方はそう言った。








********
19
「仕事があるから」と、お通は鐘が鳴る前に二人の前から消えた。

「二人で早退?」

沖田はきょとん、と土方を見た。

「・・・お前に、渡したい物がある」

「はは」

まさか、チョコレートとか言わねェよな?

あまりにも馬鹿馬鹿しくて言葉にしなかったが、土方の表情を見て沖田は息を呑んだ。

マジでか。

こうなってしまっては、最早誰を信じて良いのか本当に解らなくなる。

人間不信に陥りそうだ。

「早退はしやせん。ちゃんと受けて立ちまさァ」

「本当か?」

「ああ。逃げねェよ、かかって来なせェ」

ファイティングポーズを取る沖田に、土方は口を開いた。

「―――――――沖田見〜っけ。午後からもサボりか?課題倍用意したから覚悟しとけよー」

絶妙のタイミングでそれを遮ったのは銀八だった。

驚く土方と沖田の襟首を掴み、強引に教室へと向かわせる。

「ちょ、せんせー。知ってんでしょう!?俺ァ今日ひでー目に合ってんですぜ?」

「話は放課後聞こうか」

土方は無言で教室までの道程を歩いた。

遮られてほっとしたのか。残念だと思っているのか。

自分でも解らなかった。






*********
20
「沖田君の課題第一は恋をする事」

沖田は胡散臭いものを見る目で銀八を眺める。

放課後の教室。

沖田の机にはチョコレートの箱が詰まれている。

「コレ全部やるから帰してくだせェ」

「うん。それは勿論全部もらうよ。つか、今年の成果は五割増しくれーか?」

「・・・びっくりだよなァ。有り得ない人からもらったもんなァ」

「ま、高校最後のイベントでみんな浮かれたんでしょ?」

「せんせーは?もらったのか?」

「大人はそんなガキのイベントじゃ盛り上がれねぇの」

銀八はそう言うと、沖田の肩を掴んだ。

「・・・せんせい・・・?」

「大人は大人のやり方でいくよ」

言うなり思い切り抱き締められ、沖田は目を瞠った。

「さて。沖田君の恋のお相手は見つかったか?ちゃんと皆エントリーされたか?」

「・・・何、言って・・・」

「俺もそん中、・・・入ったか?」

「――――――銀・・・」

耳元で低く響く銀八の声。首筋に掛かる息がくすぐったくて沖田は首を竦めた。

「土方も、入れてやったか?」

「―――――解った。解ったよ、先生」

沖田はそう言うと、銀八の腕から逃れた。

「ちゃんと、課題やってきまさァ」

「期限は二月一杯だよ」

沖田は頷いた。



「何の話してたんだ?」

校門で待っていた土方は、沖田と目を合わせずそう言った。

「課題、出されやした。難しいヤツ。しかも期限付きで」

――――――でも、一応何らかの形は示さなければならないのだろう。少なくとも、あの人にだけは。

「それ・・・、銀八に取られなかったのか?」

沖田が両手に抱える大荷物を見て、土方は少し目を見開いた。

「全部やろうと思ったけど、やっぱ止めた。部屋でゆっくり見直しやす」

「何だ、いい加減に生きるの止めたのか?」

「止めねェよ。でも、こんな俺でもいいってのがいるんだから、少しは考えねぇと気分が悪ィ」

ふぅん。と呟いて土方は黙り込んだ。

二人の間を冷たい風が通り抜ける。

「・・・まだ一人、もらってねぇんだけど」

「え?」

「アンタの、もらってねェ」

「――――――――」

「食ってやるから出せよ」

畳み掛けるように言うと、土方は物怖じした様子で沖田を見つめ返す。

「・・・お前がどうしても欲しいって言うんなら、やるよ」

その場で返事は出来なかった。

解った、と小さく呟いた沖田は複雑な気持ちで土方と寮までの短い道程を歩いた。





そうして、寮に帰り着いた沖田は、布団です巻きにされた桂を見て声を上げた。

「―――――忘れてた」











*********
すこーしだけ、気持ち程度書き足しました。

つきまして、この沖田に誰を選んで欲しいか!?のアンケート取りまっす!
アンケートフォームが上手く表示されないので、WEB拍手のメッセージにて、受け付けますv
誰、と一言で結構ですv
もし熱いコメントなど付け加えて頂けましたら、書いちゃうかもです・・・v
ご協力頂けましたら泣いて喜びます。

↑上記アンケート、締め切りました。
ご協力ありがとうございました!!
結果は
銀八 6票
高杉 6票
土方 4票
でしたぁっ!
銀八はWEB拍手にあります!



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