夢のつづき
夢の中で抱き締めたのは、良く知る相手だった。
何故、こいつなんだろう?
一体どうして、こんな事になっているんだろう?
疑問は僅かに脳裏を掠めただけで消えた。
ただ幸せで。満たされる自分をしっかりと感じて。
――――――夢じゃなかったらいいな・・・
そう思った所で目が覚めた。
「すんごい怖ぇ顔」
からかうように声を掛けられ、土方は更に眉間の皺を深くした。
「夢見が悪かったんだよ」
ぶっきらぼうに言い、土方の機嫌が悪いのが楽しくて仕方ない風な沖田を見た。
「夢?俺に殺される夢でも見たかィ?」
――――その方がマシだったか。
大きく溜息を吐き出した時に、沖田がさらりと言った。
「俺もアンタとヤる夢見たぜィ」
「――――――・・・」
耳を疑った。
「―――――・・・何?」
「アンタとHする夢見た」
目も口も大きく開けた土方の前で、沖田はにやりと笑った。
冗談だよな。
土方は呟いた。
何時もの、性質の悪い冗談だ。
―――――夢は願望の顕れだって、聞いたことがある。
打ち消す傍から、別の思惑が土方の頭を占める。
―――――願望?俺の?アイツの?
「イヤ、だからアイツのは冗談だろ・・・」
じゃあ、自分が見た夢は?
「・・・・・・」
土方は苛々と煙草を取り出し、火を点けた。
全く、どうかしている。
朝から何度同じ事を考え続ければ気が済むのか。
目の前に詰れた書類の内容が少しも頭に入ってこない。
頭の中を支配するのは、書類の山の向こう側。
静かに寝息を立てている沖田の存在――――――
「出て行け」と、それこそ何度言ったか解らない。煙草が好きではない彼を追い出す為に、何時もの倍も煙草に火を点けた。
それでも出て行かない所か、そのまま眠り込んでしまった。
それに意味などない筈なのに、考える。
そんなに俺の傍に居たいのか?などと馬鹿な事を考えている。
期待、している。
彼も待っているのではないかと・・・・。
「――――――っ、限界だ、馬鹿野郎」
土方は徐に立ち上がると、大股で沖田の傍らへ移動した。
起きればいい。
今起きれば止めてやる。
態と足音を立てて歩いたのに、沖田はやはり目を覚まさなかった。
「・・・・知らねぇぞ」
アイマスクからのぞく、形の良い鼻、唇。
ゆっくりと、土方は顔を近付けた。
が、触れる瞬間、ぴくりとその唇が動いた。心臓が跳ねる。
「―――――あれ、土方さん・・・?」
アイマスクを捲り、沖田は傍らに座る土方を見上げた。
「・・・何してんの?」
今更遅いだろ。数秒前ならまだ間に合ったのに。
もうどうしたって落ち着かない。止まらない。
「―――――夢・・・、どうだったんだ・・・・?」
様子のおかしい土方に気付いているのかいないのか、沖田は首を傾げた。
「夢?夢なんざ見てねェ・・・―――ああ、朝の話かィ?」
そう言ってまた、にやりと笑う。
「気持ち良かったぜィ?何?気になる?」
黙ったままの土方に、沖田は悪戯っぽい瞳をして見せた。
「試してみるかィ?」
「―――――」
それは、引き金だった。
「なんて―――――」
冗談には、させない。
笑い話にしようしたその口を、塞いだ。
驚き、躊躇う沖田の身体を押さえ付け、その唇を貪った。
至近距離にある薄茶の瞳に、自分が映る。その事に堪らなくなった。
見詰め合ったまま、薄く開いた唇に舌を差し入れ、彼のそれを絡め取る。
先に瞼を閉じたのは沖田。抵抗は、ない。
それを許諾の印と取って、土方はその腰に手を回すと、更に深く口付けた。
満たされる己を感じ、夢の続きを見ているような錯覚に陥った。
合わさった唇の隙間から洩れる彼の吐息に、くらりとする。
袴の結び目に手を掛け、ゆっくりと唇を首筋に移動した。
「・・・、じかた・・・、さん・・・?」
沖田の手が、土方を確認するように髪に触れる。
「何だ・・・?俺また夢見てるのか・・・?」
心臓に手を当てると、その鼓動が激しい事が分かった。
先程の自分の考えが肯定されたのだ。そう判断した。
「夢より、イイだろ?」
そう呟き、舌で肌を辿りながら着物を肌蹴る。
浮いた鎖骨を舐めると、ひくりと反応した。
色素の薄い胸の飾り。それを舌で、指で転がし愛撫する度、赤く熟れていく。
「・・・・・ぁ、・・・・っあ、」
堪え切れない声が、沖田の口から洩れる。
性感帯を見つけた事に安堵し、土方は下半身に手を伸ばした。
剥き出した沖田自身も、あまり使われていない、薄い色をしていた。
自分と同じ物とは思えない。
それが僅かに形を変えて反応しているのが可愛くて、愛しくて口を寄せた。
割れ目に舌を這わせ、丁寧に快感を与えてやると、沖田の身体は素直に反応する。
びくり、と腰を動かし、一際高い声を上げた。
―――――真昼間だけど、・・・まぁ、いいか。
口を塞ぐのは勿体無い。
先走りの白い液体が流れ出てきて、部屋の中に卑猥な水音が響く。
ここからが問題だ。
出来るなら痛い思いはさせたくない。
沖田から流れ出た液体を指先に取り、塗りつける。少しずつ、少しずつ解き解すように周りを辿り、差し込む。
が、指を挿れた瞬間、自分が我慢できなくなった。
下から見る沖田のその姿が厭らしくて、「早く」と誘っているようで、猛る自身を押さえ切れない。
「――――悪ぃ」
囁くように言い、土方は彼に自身を突き刺した。
「――――――っ」
唇を噛み締めるその表情に煽られる。半分も挿入っていないのに、イきそうになった。
「ひじ、かた・・・、さん・・・」
まだ信じられないのか、沖田の指が土方の頬に触れた。
「・・・・本物だよ」
抱き締め、唇を合わせて、現実を彼に知らせる。
もっと。もっと。
快感を与え合って。
互いに欲を吐き出した頃には、陽が傾いていた。
「夢とどっちが良かった?」
意地悪く聞いてやると、沖田は「う〜ん、」と唸った。
「比べらんねぇ」
「・・・・は?お前どんだけ濃厚なの見てんだ?」
「だって・・・」
沖田は眉を寄せると、散らばった着物を掻き集めた。
「夢ではアンタが下だったから・・・」
ちょっと待て!
「仕事終わったら押し倒してやろうと思ってたのに先越された」
土方は思わずぞっとした。
あそこで決断して正解だったようだ。
「・・・そりゃ、残念だったな」
吐き出した土方に、沖田は呟いた。
「そうでもねぇよ」
「―――――・・・・」
その甘い言葉に疑う。
これも夢のつづきなのではないかと。

終
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kanta様にリク頂いた土沖エロです(涙)エ、エロ・・・?エロになってる??エロ難しい・・・(連呼するな)
しょぼ〜い駄文ですが、こっそり捧げさせて頂きます・・・vv
はぁぁぁぁ〜っvvvhobiaのkanta様からこの駄文のイラスト描いて頂きましたぁぁぁぁぁぁ!!(興奮!!)
本当はもっと上手に背景にしたかったけど、私の腕とこのPCじゃ出来ない・・・らしい(涙)
ありがとうございましたぁぁぁぁぁっvvvvv
読まなくても良いウザイいい訳↓
ネタ・・・!誰かネタ下さい!
いい加減末期も末期なんですが、先日職場の女の子が「ドSさんとHする夢見た」と言ったのがきっかけです(爆笑)どうやら濃厚な夢だったらしく、「すごく気持ち良かった」とか(おい)
「女同士っていいなぁ〜、柔らかくていい匂いだもん〜。男の気持ちが解ったよ〜」との感想に大受け。
即行ネタにする辺り、私も相当頭おかしい(マジでな)
そんな私も女の子大好きv気持ち解るわぁvv(子持ちの主婦が何を言うか)
でも、Hな夢って見た事ないです。見たい。そしたらネタになるのに(そっち?)
・・・・いや、ネタ切れ末期、という言い訳・・・。