注意!!
これはパラレルです!
真ちゃん、もしくはガイ君がナ−ス姿で登場しますが、「男ジャン!」というツッコミはゴカンベン下さい。女装ネタがお嫌いな方は引き返されるのが宜しいかと思います。
ネタはそれはもう、詳しく香月様がリク下さったので、ほとんど二人の共同作品といってもいいです!
ちなみに私は病院の事情等はさっぱりわかっておりません!
デタラメかつ、嘘っぱちでございます!
しかも今回リク頂いたに係らずエロ逃げました(汗〜)
以上を許して下さる方のみ、以下へお進み下さいv
38383番キリリク香月恵様に捧げます・・・(エロはまた次回・・・)
外科病棟のご事情v
ここは神崎病院。
市でも一番大きな総合病院だ。
俺の名は秋山蓮。外科を担当している。
病院と言う場所は職場恋愛の多いところで、医師と看護婦との噂が絶えない。
偶に医師同士だったり、看護婦同士だったりもするがそれはこの際置いておこう。
かく言う俺も、常に看護婦たちの好奇の目に晒されている。
看護婦ばかりではない。患者でさえ、何やら目で訴えかけたりしてくる。
はっきり言ってうんざりしていた。
医者という、病気で苦しむ者を助ける聖職が、今やすっかり様々な恋愛や汚い金に塗れ果ては医療ミスなんてのを引き起こし、何を信じればいいのか分らない場所と化しているのだ。
患者の容態よりも明日のゴルフの心配をする同僚。
いかにして患者から金を引き出せるか考える上の人間。
そうでない者も勿論、いる。だから俺はそういう者としか口さえ利いていない。
そんな俺が周りから受けいられる筈もなく、自ら危うい場所に身を置いてしまっているのだ。
そんな俺の前に表れたのは、一人の新米ナ−ス。
名を城戸真司と言った。
この俺が思わずはっとするほどの綺麗な顔立ちをしていた。
が、口を開き、仕事に掛かりだすと、そのドジ振りに俺は頭を抱えたくなった。
――― こういうヤツが医療ミスを起すんだ…。
早いうちに追い出そうかと考えていた俺だった。
ガチャ−ン。
そういった大きな物音には必ず城戸が係っている。
「 ご、ごめんなさい! 」
すぐさま猛反省の姿勢で謝る事ができるのは評価に値するが…。
「 …また君?いい加減にしなよ。ここをどこだと思ってんの?そんなんじゃ子供に静かにしろなんて言える立場じゃないよね 」
最近、そんな城戸にしつこく絡む看護婦がいる。
いわゆる後輩イビリ、というやつだ。
この日も城戸の半年先輩にあたる芝浦淳がねちねちと嫌味を言い始めていた。
「 向いてないよ、君。辞めなよ 」
「 …あ、でも俺、ずっとこの仕事やりたくて…。すみません、絶対、絶対気をつけますから! 」
「 その科白もう何度目?説得力ないっ… 」
「 ――― 謝ってるだろう、その辺にしといたらどうだ? 」
その言葉が自分の口から出たと気付くまで数秒かかった。
「 あ、秋山先生・・・ 」
ほっとしたように顔を上げる城戸と目が合う。
芝浦は面白くなさそうに背を向けるとその場から去っていった。
どうやら俺は城戸を庇ってしまったようだ。
弱いものは無条件で守ってしまうイヤなクセがでたらしい。
俺は諦めて口を開いた。
「 お前も、どうしてそんなに失敗が多い?そんなんじゃ今に大きなミスを起すぞ 」
「 すみません…。でもそれだけは、患者さんに迷惑かけるようなミスは、俺絶対しません 」
「 ・・・どうしてそう言い切れる? 」
確かに彼のミスはささいなもので、今まで本当に困ったミスというものはしていないが…。
「 俺…、患者さんを救いたい、なんて大きな事は言えないけど、本当に救うのは先生だし。病気や怪我でで苦しんでる人が少しでも安心して治療を受けれるように手伝いできるこの仕事が大好きで、だから患者さんにはいつも笑顔でいて欲しいって言うか。よく物落としたり転んだりはするけどさ 」
「 そう言えばお前、いつも笑ってるな 」
「 うん。それだけは心がけてる。っていうか、本当に嬉しいんだ。秋山先生に診てもらった患者さんって、皆安心した表情してるだろ?だから俺も嬉しくなっちゃって 」
そう言って城戸はまたにっこりと笑った。
看護婦としては当たり前の心がけだ。
…なのに、どうして俺はこんなに動揺しているのだろう?
「 ・・・じゃあ、辞めさせられないようにもっと努力するんだな 」
動悸が激しい。
俺はそれを悟られないように、態と冷たい態度でその場を去った。
「 はい! 」
体育会系の元気な挨拶。幾つだ、あいつは。
その夜俺は城戸の夢を見た―――
翌日、俺は頭痛を堪えて出勤した。
朝から城戸はどたばたと走りまわっている。
「 うるさいな。もっと静かに出来ないの!? 」
芝浦は相変わらず小ばかにした目で城戸を見ている。
俺は―――…。
気がつくと城戸の後姿を見つめ、慌てて頭を振っては書類に目を落とすの繰り返しだ。
情けない。
そんな俺が最近気付いたことは、患者が明るくなっていること。
それと、城戸に目をつけている人間がどうやら俺だけではないという事だった。
内科の医師のくせにやたらとここへ顔を出す暇人手塚海之。
俺が言葉を交わす数少ない人間の内の一人だが…。
どうにも何を考えているか分らないところがあり、それが近頃事ある事に城戸に仕事を言いつけているのが気に触る。
休憩時間、俺は奴に声を掛けた。
「 最近、うちの看護婦に用事を言いつけてるようだが、困る 」
手塚は目を見開き、心外だという表情を見せた。
「 色んな科の仕事を覚えたいと言い出したのは城戸だ。俺は当たり障りのない簡単な用を頼んでいるだけだが… 」
「 そうなのか? 」
俺が驚く番だった。
そこまで仕事熱心なのか…。
「 悪かった 」
俺は素直に謝ることにした。
俺にとっての城戸が少しずつ変わっていく。
それを不快に思わない自分にも首を傾げたくなるのだった。
その日は夜勤だった。
患者がいなくなった後、書類の整理と入院患者の見まわりを済ませ、自分の部屋へ戻る途中だった。
内科の診察室の中から声が聞こえてきた。
それは間違いなく城戸の声だった。
「 熱心だな。良かったらこの内科へ来るか?俺が話をつけてやる 」
そしてこの声はあの…、手塚。
俺の眉間の皺は一気に深くなった。
「 ありがとうございます。でも俺、小児科や老人病棟の方にも興味あって・・・ 」
「 そう言うな。…どうだ?あの外科は居心地いいか? 」
カタン、と彼が席を立った気配。
「 はい。…秋山先生は本当にいい先生で・・・。・・・あの・・・、何してるんですか? 」
「 俺が君の望むようにしてやろうか? 」
「 ・・・え?どういう意味・・・ 」
「 君が望むなら好きな所に配属させてやろう。手当てを上げてやってもいい 」
「 手当てって…。あっ、止めてください! 」
・・・あいつ・・・
もがもがと足掻く城戸の様子に俺はぶちんと切れた。
簡単にキスされてんな!
勢い良くドアを開き、俺は中に踏み込んだ。
「 お前までとは思わなかった。ウチの看護婦に手を出すな! 」
怒鳴り、手塚に組み敷かれる城戸の姿に俺の血は逆流した。
白衣がまくれ上がり、際どいところで留まっている。
二人は驚いた顔で俺を見た。
「 城戸!お前も!隙があるからこんな事になるんだ! 」
来い、と城戸の腕を引っ張り、無理矢理廊下へと連れ出した。
「 あ、ありがと…、ご、ざ・・・した 」
呟いて、城戸は喉を詰まらせる。
途端、両方の大きな瞳からぽろぽろと涙が零れた。
「 ごめんなさい、まさか、まさか、こんなこと・・・ 」
冗談ではない。今時普通の会社でだって当たり前だ。
夜中に赤の他人の男と二人きりになるなんて、誘っているようなものだ。
世間知らずで鈍いのにも限度がある。
…と、ひとしきり頭の中で怒鳴ってみたが、城戸の涙の前でそれは言葉にならなかった。
俺は溜息を吐いて城戸を引き寄せた。
「 ・・・とにかく、無事で良かった。何度も言わせるな。・・・気をつけろ 」
城戸は腕の中で小さく頷いて、そっと顔を上げた。
濡れた瞳が熱く俺を見つめる。
「 ありがとうございます。先生、いつも厳しいけど、本当は優しいから…。俺、本当に嬉しい… 」
そう言って、きつくしがみ付いて来た。
「 今言ったばかりだろう?優しい相手でも気を付け・・・ 」
信じられないことに、城戸の方から唇を重ねてきた。
「 ・・・俺、先生になら騙されてもいいよ・・・ 」
「 城戸・・・ 」
俺は城戸をきつく、きつく抱きしめていた…。
「 全く、悪役とは損な役回りだな 」
先程の内科の診察室で一人茶をすする男が一人。
「 気をつけろ、城戸。そいつが一番の悪者だぞ 」
昼間会った時、半ば脅されてこの役を引き受けた手塚だった。
終
・・・えっ!?終わりっ!?肝心なエロは???
な―いジャ―ン。
あっとあっと、大丈夫!この次エロ書きます!(続くんか?)
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